構造解析とは・・・?
「部品に力がかかった時の変位を見たい」こんな風に思い解析を行うとします。
こういった解析は、多くの場合構造解析という種類になるのですが、そこからさらに
- 線形解析/動解析
- 振動解析
- 座屈解析
- 非線形解析
- 熱応力解析
- 疲労寿命解析
- etc...
と枝分かれしていき、自分がやりたいと思っている解析がどれに分類されるのか分からなくなっちゃう事もあると思います。
線形解析とは
線形解析は、CAE(Computer-Aided Engineering)ソフトで行う解析技術の一つで、物理的な現象を線形系として解析することで単純な結果を得ることができます。
例えば物体に力をかけた場合、その物体は変形しますが力を除去すると元の形状に戻ります。これをグラフで表すと一直線になるのがイメージ出来るでしょうか?これが線形解析になります。
しかし、強い力をかけて恒久的な変形を引き起こすような解析や、モノとモノが動くような解析は、線形解析では適用できません。このような解析を線形解析で行うとおかしな結果が出力されてしまいます。
線形解析は以下のような項目に当てはまる解析になります
- 他の部品との接触・摩擦が発生しない
- 弾性変形のみ(解析上塑性変形は起こらない)⇒ヤング率に沿った変形のみ
- 荷重が一定
左の画像のように1つの部品があり、例えば緑の面に矢印の向きに力が加わった時の部品の変形を見たいという時は線形解析が最適です。
上の解析を非線形解析でやる事は出来る?やるとどうなる?
答え:できます。線形と非線形は計算方法が異なるので、まったく同じ設定でも結果が少し変わってくる場合があります
現場での線形解析の使われ方
- 過去品番⇒現品番で剛性にどれだけの違いがあるか?
- 形状等仕様を変えた際採用出来る目途があるか?
- チャック時にワークがどれだけ歪むか?
- 実機で不具合が起きた際、解析結果と比較
僕自身のこれまでの経験上、こういった使われ方が多かったです。
線形解析であるため単品での簡易的な解析になってしまいますが、競争力というところからとにかくスピードが優先され線形解析が使われるケースは結構多いと思います。
線形解析のいいところはとにかく簡単で解析時間が短い点です。
非線形解析は、解析時間が長く条件付け(収束するかしないか)も含めて色々と頭を使う点があり、線形解析と比べると難易度が高い解析になっています。
線形解析に必要なもの
- 材料のヤング率
- 材料のポワソン比
- 荷重条件(NニュートンorPaパスカル)
- 境界条件(どこを拘束するか)
上記が揃っていればとりあえず解析はスタートできます。